照明用LEDとその応用

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はじめに

コーデンシの照明用LEDは、UV(紫外)LEDからIR(赤外)LEDまで、光センサーを多く手がけるメーカーならではの範囲の広いラインナップがその特徴です。様々な広がりをみせる光源としてのLEDでは、用途に合わせて波長を選択できる事が有効かつ必要不可欠な要素となります。。
ここではコーデンシの高輝度LEDのラインナップのうちより、特に発光波長に特徴を持ち特殊な性能を発揮するものを紹介します。

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LCDバックライト

液晶ディスプレイのバックライト用途にLEDを使用する場合、LEDの発光スペクトルはR(赤)・G(緑)・B(青)の各色毎に、なるべく狭いピーク波形を持つ事が望ましい。なぜならば、LCDの持つカラーフィルターを透過した後の光の色純度が高いほど、ディスプレイの色再現域を広くすることができるからです。。
一般的な白色LEDの持っている青と黄色にピークのあるブロードな発光スペクトルは、理想的なLCDバックライトの光源としての発光スペクトルとは異なります。。
コーデンシでは青緑のチップ発光に加え蛍光体の赤色発光をバランス良く配合する事でこの点を大幅に改良し、広範囲な色再現域を実現できるLCDバックライト用LEDを開発しています。
このLEDの持つ発光スペクトルを汎用的なカラーフィルターの特性と組み合わせれば、液晶ディスプレイの色再現域をNTSC比で90%まで広げる事ができます。(当社試算)
図1.色再現領域
LCDの画像表現力への要求は今後も高まる方向にあり、広域色再現性能を容易に実現させる有効な手段としてこのLEDを多方面の用途に提案しています。
中型以上の液晶ディスプレイ用途においては多数個のLEDを並べる必要であり、その際の発熱による温度シフトや信頼性の低下を防ぐため、放熱性に優れた特殊素材のパッケージを準備しています。この素材は銅を上回る熱伝導性を特長としていると同時にアルミ並の軽さを持っているので、LCDバックライトという用途においてはまさにうってつけです。
図2.LEDアレイパッケージ

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演出照明用LED

演出照明用LEDは対象物をより最適に演出すための製品です。一般的な蛍光灯、白熱球とは違色味やスペクトルをコントロールすることができ、対象物に応じて最適な光源を作成する事ができます。例えば、生鮮食品向けへの応用があります。お肉がおいしく見える様に白色光でありながら赤味を強調した高輝度紅白色LEDや、野菜がフレッシュに見える様に菜色を強調した高輝度鮮白色LED、お魚が新鮮に見える様に青みを強調した高輝度冷白色LEDなどを開発しております。では、なぜ美味しく見えるのか? それはLED光の波長分布を、お肉や魚などの生鮮食品が映えるように最適な波長分布に調整しているからです。どうやって調整するのか? それはLEDから発する光の波長を変換する蛍光体をブレンドさせ、微妙な光の調合を実現しているからです。色調合の「匠の技」は、様々な用途にカスタム対応が可能です。
図2.演出照明用LED

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おわりに

ますます広がるLEDの用途展開に対して、コーデンシでは独自の切り口をもって研究開発・応用技術に取り組んでいます。
今後もさらに拍車をかけてLED市場の用途を開くとともに、アプリケーションのニーズを先取りしたLED製品を開発し、提案を続けていきます。
最後に、汎用的な電化製品のみならず、未知の可能性を秘めた先端医療やバイオ分野の研究においてもコーデンシのLEDは陰ながら有効な新技術を提供し続けます。