(2)分光感度特性
フォトトランジスタの分光感度特性は、コレクタ・ベース接合のフォトダイオードとしての分光感度特性に同じですが、N/N+の2層構造ウエハを使用するため、ピークが800nmと長波長側への延びがありません。ピーク波長940nm前後の赤外発光ダイオードと組み合わせると、ピーク値の約半分の感度となりますが、フォトトランジスタに関する限りそのずれ分はhFEで数百倍に増幅でき、またパッケージなどで十分にカバーできますので、実用上問題はありません。
(3)暗電流
フォトトランジスタの暗電流ICEOは、光が当たらない時の漏れ電流で、コレクタ・ベース間のフォトダイオードとしての暗電流ICBOがhFE倍されたものです。これは光信号から見れば雑音となり得ます。従って暗電流がS/N比を決め、使用可能な最小入力信号を制限します。現在のフォトトランジスタはプレーナ構造で、ICEOも数nA以下と非常に低くなっています。
(4)応答特性
フォトトランジスタの応答特性はhFE、コレクタ・ベース間の接合容量(CCB)、外部負荷(RL)などで決まります。出力を上げようとしてhFEを上げるとベース抵抗が上がり、またチップサイズを大きくするとCCBが増加し応答が遅くなります。応答速度は通常のフォトトランジスタで数μsec、フォトダーリントンでその数十倍となっています。