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アバランシェフォトダイオード
1.アバランシェフォトダイオードとは
アバランシェフォトダイオード(avalanche photodiode)入力信号光に対し高い増幅効果(~100倍)が得られるフォトダイオードです。ここで、フォトダイオードは光を電気信号に変換する素子です。PN接合により生じる空乏層領域に光子が入射すると、その数に相当する電子と正孔が生じ電気として取り出すことができます。この時には増幅効果は生じません。アバランシェフォトダイオードでは強い逆方向電界をかけます。この状態で光子が空乏層領域に入射すると、励起された電子が強い電界により加速され高いエネルギーを持った状態で格子に衝突します。このとき格子は衝突電子よりエネルギーを受け取り、これにより複数個の電子を放出いたします。この放出されたそれぞれの電子が強い電界により加速され別の格子に衝突し、ネズミ算式に電子が放出されていきます。この原理により増幅効果が生じ、これをアバランシェ(なだれ)効果と言います。したがって、仮に微弱な光:光子が1個入力したとしても、原理的にはこれを数百倍に増幅し電気信号として取り出すことが可能となります。また、さらに強い電界をかけた状態(ガイガー領域)では電子だけではなく正孔でもなだれ効果が生じさらに高い増幅効果が得られます。
このアバランシェダイオードの用途としては、高速・高感度の特徴を生かし、レーザー測距計などに使われます。また、通常のフォトダイオードでは検出が困難な微弱光を検出する計測機器など応用されています。