光学式エンコーダは発光素子と受光素子の間に可動スリットと固定スリットを設け、可動スリットを移動させることにより、光の強弱を作り、受光素子で電気信号の強弱に変換し、電子回路により波形整形することによって、スリットの移動量に相当した矩形波パルス、または近似sin波のサイクル信号として出力するものです。
光学式エンコーダは、次の基本的要素により構成されます。
(1)発光素子
発光素子としては、650nm帯や850nm帯の赤色や赤外域の発光ダイオードが一般的に用いられています。高精密な情報を得る為に 点光源発光ダイオードなども使用されることがあります。
(2)レンズ
発光素子からの光を平行化する為に、発光素子と可動スリットの間にレンズを用います。同様なレンズ機能を発光素子側に持たせた レンズの無いものもあります。
(3)可動スリット、固定スリット
可動スリットは、ロータリーエンコーダの場合、回転ディスク、リニアエンコーダの場合、スケール等と呼ばれ、ポリエステルフィルム、ガラス、または金属板でできたものが用いられます。可動スリットの他に 固定スリットを一対で用いる場合があります。
(4)受光素子
受光素子の受光部分にはプレーナータイプのフォトダイオードが最も多く使用されています。センサ用フォトダイオードは非常に信頼性が高く、また、出力短絡電流の入射光量に対する直線性が良く、周波数応答も優れているため、高精度品、高パルス品に多く用いられています。フォトトランジスタが用いられるのは素子自体で比較的高い出力電圧の必要な場合です。これら以外に フォトダイオードと信号処理回路をワンチップ化した ICチップを用いた受光素子もあります。