1. V-I特性
フォトダイオードのV-I特性は暗中では、通常の整流ダイオードと同じです。(図3)しかし、フォトダイオードに光が照射されると、光の強さに従ってV-I特性が下に移動します。この時、端⼦間を開放しておくと、Vocの電圧が⽣じ、短絡すると逆⽅向にIscの電流が⼊射光量に⽐例して流れます。(図4)は照度をパラメータにIscとの直線性を⽰したものです。Iscは103Lux〜104Lux位の範囲において⾮常に優れた直線性を有しています。
2. 分光感度
受光素⼦と組み合わせる光源は太陽光、蛍光灯、タングステン電球、LED、レーザー光など、各々独⾃の発光波⻑を有しています。しかし、コーデンシの受光素⼦はシリコン基板としており、素⼦(チップ)⾃体としては、可視光領域から近⾚外に⾄るまで広い分光感度をもっているため、ほとんどの光源との組み合わせが可能です。また使⽤⽬的によって光学的フィルターつきのデバイスもあり、可視光領域のみに感度を有する受光素⼦や⾚外光のみに感度を有する受光素⼦もあります。(図5)
3. 応答特性
応答速度は外部負荷抵抗RLと内部直列抵抗RS、P層N層の接合容量Cjの時定数でほぼ決まります。
tr∝Cj×(RL+RS)≒Cj×RL(RL≫RS)応答速度の改善のためには、⼀般に(1)逆バイアスを印加してCjを⼩さくする(2)受光⾯積を⼩さくする(3)負荷抵抗を⼩さくする等が考えられます。しかし必ず他の特性との関係があることに注意する必要があります。またPINシリコンフォトダイオードは⾼速光検出に⼤変有効です。
4. 暗電流
受光素子に光を照射しない時に流れる電流を暗電流(Id)といいます。受光素子としてはIdの小さいことが望まれます。これは低照度領域の検出限界となるためです。一方、暗電流は逆バイアスと周囲温度の上昇に比例して増加するという傾向があります。従って低照度におけるリニアリティが必要な場合には、極力逆バイアスの印加を避けるべきです。